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星嶋 すみれ Button(ボタン)

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星嶋 すみれ

Cast a spell !!

Button(ボタン)

サイズ:立たせた場合、全長約14cm
重さ:約52g

説明:<人間の子ども>に強いあこがれを持ったテディベアのボタン。おとこのこ。
お迎えくださった方には、ボタンの小瓶入りの秘密
「ちいさなおはなし」をお付けします。

★ボタンのちいさなおはなし★

おもちゃ屋さんがボタンの家であり、ボタンの仲間が次々にお家へお迎えされていく中で、ボタンは時々売り場に現れる「人間の子ども」について考えました。
人間の子どもはあたたかく脈打ついのちをもち、やがて大人という完成した姿へ変わっていくそうです。
さらにその姿の移り変わりを誰もが祝い喜び、愛されながら「生きていく」というのです。
そんな人間の子どもは、ボタンにとってうらやましい存在でした。

ボタンは自分の体をまさぐって「いのち」を探しましたがふわふわの体にはなさそうでした。
ぱちぱち瞬く瞳もありませんでした。ボタンはどこからか似たようなパーツを見つけてきては、瞳のパーツ、ハートの心臓を自分で作りあてがうことにしました。
ぽっかり空いたおなかにあてがったハートは脈打たず、瞬きもしない瞳が付いたちくはぐなボタンの姿を、おもちゃの仲間は気味悪がりましたが、ボタンはそれでもますます憧れを強くするばかりでした。

ある時ボタンはおもちゃ屋の中である童話を読みました。
操り人形の少年が魔法によって本当の子どもとして生まれ変わり、幸せに暮らしたというものです。
ボタンはそれから毎晩、輝く星に強く願いました。幾晩も、幾晩も…。

ある時ボタンのもとに小さな男の子が駆け寄ってお母さんにボタンをねだったのです。
その日をきっかけにボタンは少年と暮らすことになりました。
少年がいたずらによってお母さんに叱られて泣く夜には、ボタンは優しく寄り添って少年を慰めました。
絵が上手にかけたときは少年だけににっこり微笑んで見せ、一緒に喜んで楽しみました。
少年のそばに、いつもボタンは寄り添いました。

そんな日々の中でボタンは、「人間の子ども」になることへの強い気持ちが自然と気にならなくなっていました。
あてがった小さな不格好なハートの「いのち」も今は汚れてしまっていますが、ボタンはそれでもいいと思っていたのです。
少年とその家族の間で「いのち」の成長を感じられたとき、その成長が自分にもあったことを知ったからです。
ボタンはもう、立派な「いのちをもつ子ども」でした。

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